ゴミの不法投棄問題
「民主やちまた」 石橋輝勝 一般質問要旨
平成15年10月8日
先般の選挙で市民の皆様に議員としてご推挙頂きました石橋輝勝です。この度、未だ私1人ではありますが、会派「民主やちまた」を立ち上げましたので、ご報告申し上げますとともに、ここに一般質問をさせて頂きます。なにぶん始めての経験ですので、お見苦しいところがあるかもしれませんが、ご容赦頂きたく思います。またこれからの質問は、私がつい先日まで一般市民でありましたことから、市民感覚でご質問致します。特に今回は私が取り組んでまいりましたゴミの不法投棄問題を中心として市の環境政策全般にわたりましてご質問致します。
1.ゴミの不法投棄・ポイ捨て問題についてお尋ね致します。
八街市全域で発生しておりますゴミの不法投棄・ポイ捨て問題は再々議論されてきているところであります。現に八街市には「八街市さわやかな環境づくり条例」、いわゆる ポイ捨て条例(平成10年11月1日施行)もあり、この問題への関心は過去に遡れるものであります。しかし、私がこれまで3年半にわたり清掃活動を続けてまいりました経緯から、関心はあれども、解決へ向けた市の努力には疑問を持たざるを得ません。
八街市は八方に道が通じておりますが、近隣市町と接する辺りが特にゴミのポイ捨て投棄が激しい場所であります。例えば県道115号線千葉市との境界付近、主要地方道千葉・八街・横芝線佐倉市との境界付近、主要地方道八日市場・八街線山武町に入る手前付近、国道409号線住野十字路、同じく滝台高速下等であります。これはゴミを見て八街市に入ってくることになり、市のイメージを大変損なうことになります。また清掃活動を始めたころは八街駅構内も大変汚れておりました。私は市民の一人としてこれを大変恥ずかしく思っておりましたが、多くの市民が同じ思いをされていたことと思います。また、私は、日本の文化に興味をもち、つたないものでありますけれども著書も著しております。しかし八街市のゴミの散在状況から「いくら高尚なこと、あるいはきれいごとを言っていても、お前の住んでいる街はこんなに汚いではないか」と、その一言で一蹴されてしまう恐れを感じるほどの散在状況でした。市民に恥ずかしい思いをさせ、市民の努力を水泡に帰するほどゴミを散在させておく市政には許し難いものがありました。そこで取り敢えず清掃活動を始めるとともに、ゴミの散在状況を調査し、平成12年5月22日、長谷川市長にお会いして早急なる対応を文書(「八街市内ゴミ投棄状況報告および早急なる対応お願いの件」)でお願いしております。その直後の5月26日には、私的機関紙『人と間みらい』第1号を発行し、八街市内のゴミの投棄の状況を市民にお知らせするとともに、長谷川市長にもお届けし、別な形で状況を訴えさせて頂きました。また6月16日には三区青年館にて説明会を開催し、長谷川市長はじめ勝股担当課長にもご出席頂き詳しく状況をお聞き頂いております。加えて10月24日には『人と間みらい』第2号を発行し、再度ゴミの不法投棄問題を取り上げ、投棄ゴミの総量見積りまでしてお知らせしているところであります。さらには翌平成13年7月4日に長谷川市長に再度お会いし、市民とともに要望書を提出しております。それらの説明の中では「八街市ゴミ投棄場所マップ」を作成して、写真を添付し、善処をお願いしましたことは長谷川市長にはご記憶のことと思います。そこに示しました42投棄場所を中心に今日まで継続して清掃作業を展開してまいりました。これまでに2,100袋を越える投棄ゴミを回収してクリーンセンターで処理して頂いておりますが、3年前に善処をお願いしていながら、これだけのゴミを回収し、まだあるということは、市の対応の遅さを指摘せざるを得ません。一体市は私どもの要望にいかに対応してきたのでしょうか。ゴミ投棄マップに示しました42投棄場所個々にいかなる対応がなされてきたのか、具体的に、はっきりとお示し頂きたく思いますが、時間の関係がありますので、それに付きましては後日担当課より文書で回答頂くとして、長谷川市長には概略の説明をお願い致します。
2.他市町との協力体制についてお尋ね致します。
「八街市ゴミ投棄場所マップ」にあります42投棄場所中、4場所(1.主要地方道八街・酒々井線富里市内、2.主要地方道千葉・川上・八街線千葉市内、3.県道神門・八街線佐倉市第三工業団地付近、4.市認定道路102号線佐倉市内)は隣接する他市に位置する投棄場所です。その一つである佐倉市第三工業団地付近を清掃し、クリーンセンターで処理をお願いしましたところ、他市のゴミはたとえ奉仕活動であっても引取れないと言われましたが、その時だけは特別に引取ってもらいました。八街市と接する自治体にゴミの散在場所があることは事実であり、そこは奉仕活動でもできにくいことになりますと、隣接自治体に協力をお願いしするしか方法がありません。その点での隣接自治体との協力体制はどのようになっているのかご答弁願います。
3.八街市不法投棄監視員制度についてお尋ね致します。
ゴミの不法投棄を監視するために平成4年3月31日に「八街市不法投棄監視員設置要綱」が告示され、監視員が任命されております。現在20名いらっしゃると聞いておりますが、一体いかなる活動をしているのでしょうか。私がゴミ投棄マップで指定した場所を、監視員の方々はいかに報告していたのでしょうか。監視員の活動状況、その報告状況をお尋ね致します。
4.環境110番・環境パトロールの実施についてお尋ね致します。
これまでのゴミの散在状況から市内環境美化対策の不徹底、従来システムの機能不全を感じます。ゴミの不法投棄は日々発生している問題ですので、臨機応変に対応できるシステムづくりが求められます。そこで例えば環境110番の制度を設け、市役所常設とし、ゴミの不法投棄・ポイ捨て・道路上の落下物・犬猫等の死骸情報をそこに集中させ、一方では環境パトロールの制度を設けて、環境110番で受けた苦情に即刻対応できるようすることが望ましいと考えます。これまで道路上の犬猫の死骸は市の生活環境課、道路上の落下物の場合、市道でしたら市の道路管理課、国道・県道の場合は印旛土木事務所と担当が分かれておりました。これは市民には分かりにくく、ましてや印旛土木事務所となりますとほとんど市民の脳裏にないのが実情であります。それを一括して環境110番で受け、そこで担当課に選り分けるのもやめにして、環境パトロールで一括して処理してしまう体制作りであります。尚、環境パトロールにはシルバー人材センターの活用も有効と思われます。私が示しました42投棄場所をチェックするだけでしたら、早朝でしたら2時間も車を走らせれば十分にできることであります。環境パトロールとはっきりと表示した車でこれを日々行えば、市の態度をはっきりと示すことになり、不法投棄を抑制する効果もあると考えますが、市長のご見解をお尋ね致します。
5.土地の所有者管理の徹底について
ゴミの不法投棄の激しい場所は地主の管理が徹底していない場所であります。基本的には自分の土地は自分できれいにすべきでありますことから、土地の自己管理の原則を徹底させるべきであります。これに付いては「八街市さわやかな環境づくり条例」に(土地所有者の責務)として自己管理を謳っておりますが、それだけでは不十分なようであります。土地の自己管理が不徹底な場合の罰則措置を条例に盛り込むことも必要と考えますが、市長のご見解をお尋ね致します。
6.清掃奉仕団体等の統合について
八街市には資源回収実施団体が59団体存在しております。ボランティアで清掃活動をされている方も少なからずいらっしゃいます。(またボランティア活動に参加したい意思はあっても参加できないでいる方々がたくさんいらっしゃることと思います。そこでボランティア活動へ参加しやすくする方法を考えることも重要と考えます。)また、ゴミゼロ運動の時には学童も参加しての姿が見られ、学校側も児童と市民が交わってのゴミゼロ運動を望んでいるようであります。そして不法投棄監視員も20名おりますので、それらをしっかりと組織化して、生きた活動ができる組織体とすることを提案致します。それを例えば「八街市環境美化促進委員会」と名付け、市の美化の計画立案と実施を積極的に推進することが望まれます。それは投棄ゴミの応急処置というマイナスの活動をするだけでなく、積極的に市の環境美化を計る組織体とすることであります。これは市長に提出致しました書類の中で、奉仕活動を糾合する組織として提案しておりますが、この組織の実現を切望するものであります。この点に付きましての市長のご見解をお尋ね致します。
7.環境美化について
先般の市議会議員選挙の際榎戸駅で立会演説をしておりましたところ、地元にお住まいの方が近づいてまいりまして次のようなことをおっしゃいました。この方は毎日榎戸駅を利用して首都圏に通勤しているとのことでしたが、春になると駅のホームに沿って咲く桜が大変楽しませてくれていたとのことでした。ところがどういうわけか市民になんの相談もなしに切られてしまい大変失望しておりました。駅を利用して通勤される方々の気持ちを和らげる環境作りも、街づくりの一環として取り入れられるべきであります。現在進行中の八街駅北側開発では欅並木の計画があると聞きましたが、まだ決定ではないということですので、桜並木も含めての検討をお願いしたく思います。木々の育つのは時間がかかりますので、一日も早く実行して頂きたく思います。また環境美化に付きましては車で走行していても感じることがあります。近年里山は荒れ放題となっておりますが、特に昨年10月の風台風の影響は大きく、木々が倒れたままとなっております。それらをきれいに取り去り、間伐と下草刈を徹底するだけで、結構楽しめる景色になるところがたくさんあります。それによってゴミのポイ捨ても抑制できる可能性があります。先ほど提案致しました「八街市環境美化小委員会」はこのような仕事も効率的にできる組織体であることが望まれますが、市内環境美化に関します市長のご見解をお尋ね致します。
8.環境教育について
私がイギリスにおりました時、あるスーパーに買い物に行ったのですが、そのとき私の前にいた男性老人が、ポケットからレジ袋を出して買った品物を入れて帰るのを見て大変感心したものであります。英国のご老人はそこまで環境に配慮しているのかと、またそれを自然に行う姿に感心したのであります。その後英国ではレジ袋が有料になっているのを知り、そう言う理由もあってのことかと分かたのですが、それにしても大変参考になる姿でした。今八街駅南口商店街振興組合ではエコバックの採用を検討しております。年内を目標に組合員のお店で買い物をしてくれたお客様に無料配布する予定です。これはレジ袋の使用を抑制することを目的としたものであります。エコバックの基本は昔の買い物かごにあります。また先ほどのレジ袋を繰り返し使う英国老人の姿にあると思います。それには、有料化して徹底していく方法と、教育によって徹底して行く方法があり、また罰則強化によって徹底していく方法もあります。どれを採用するにしましてもライフスタイルとしてしっかりと定着させなければなりません。そこで一つ気になることがあります。もう30年も前のことですが、富士山に登り、登山道に散在している空き缶の量にびっくりしたことであります。富士山は日本を象徴する山であり、言わば霊山であります。その富士山に平気で空き缶を捨てる日本人というのは、最も基本的な教育が抜けているのではないかと思えてなりません。そういう心配からも環境教育を充実させていくことは極めて重要だと考えます。八街駅南口商店街振興組合での提案を一つのきっかけとして、広報を利用するなどして、市を挙げて環境への取り組みを喚起して頂きたく思いますが、市長のご見解をお尋ね致します。
8.ISO14001の認証取得について
ISO14001に付きましては先ほど伊藤議員からもお尋ねがありました。また本年第一回定例会にて加藤議員もお尋ねしております。それに対し、認証取得に消極的であるとのご見解でした。しかし環境問題は今注目されている問題であり、これからますます重要視される問題であります。それは、環境という言葉が、道路環境・治安環境・福祉環境・教育環境・経済環境というように、社会生活全般を環境という言葉で捉えることができることにもあります。これは環境をいかなる支点で捉えるかで全体が変わってくるという連鎖が考えられるわけであります。街づくりにも当然影響してまいりますし、環境問題を配慮しない街づくりはもはやできなくなっている状況にあります。そこまで影響力をもつものである以上看過することはもはやできないと考えます。また地方への権限委譲が叫ばれているなか、地方にいかなる指導原理があるのかも考慮にいれなければなりません。これといった指針がないなかで、環境問題は単純明快に指針を与えてくれると考えます。それも極めて確実な指針となり得ると考えます。ですから環境問題をしっかりと考える訓練ができるISO14001の認証取得はその面からも重要と考えます。そしていつの日か自治体が採用する場合の民間との違いを明瞭にできるまで極めなければならないと考えます。とにもかくにもISO14001の認証取得は第一歩であります。踏み出さなければその先はありません。私は、市役所がISO14001を認証取得し、環境政策において率先垂範すべきだと考えますが、この点に関します市長のご見解をお尋ね致します。
9.首都圏のゴミ捨て場とされないための計画について
市役所正面玄関右脇に「 」と立て看板が立っております。これは諸先輩の意志の表明であります。にもかかわらず、市の環境対策への遅れ、消極性をみますと、市の前向きな動きを抑制する圧力があるのではないかと疑わせるほどのものがあります。また上野屋工務店の経営破綻によりゴルフ場開発を予定していた土地がどのようになるのかという心配もあります。市民に恥ずかしい思いをさせ、市民の努力を水泡に帰するほどゴミを散在させ、挙句の果てに首都圏のゴミ捨て場とされたのでは、市民の期待への明らかな裏切りとなります。そのような疑い・心配を払拭するために、長谷川市長にはここではっきりと「八街市を首都圏のゴミ捨て場とさせない」と宣言して頂き、そのためにどのようなご計画をお持ちかご答弁願います。
以上で私の第一回目の質問を終わりますが、最後の質問が最も重要であります。時間の関係がありますので、第一に「八街市を首都圏のゴミ捨て場とさせない」と高らかに宣言して頂きました上で個々の質問にご答え頂きたく思います。長谷川市長には明快なご答弁をお願い致します。
宅地開発問題と治安問題
平成15年12月定例議会一般質問 石橋輝勝
「民主やちまた」の石橋輝勝です。本日は二件お尋ね致します。一件は、宅地開発によって一市民に発生しました問題を例として、宅地開発時、隣接住民の権利を守り、良好な宅地を供給するための方法に関する質問であり、二件目は治安問題に付いてでありますが、そのなかでも新しい組織犯罪の実態をお知らせしますとともに、その対策に付いてご質問致します。
1.まず宅地開発許可問題であります。
これは、八街市八街に447-11・31番地、K氏宅隣接地に、平成7年から計画され、翌平成8年3月に開発が始まりました宅地開発に関わる問題であります。この開発のため、平成7年10月26日、開発業者が同意を求めてK氏宅を訪れたのが、K氏がその開発を知った最初でした。K氏はさっそく市に問い合わせ、業者との仲介の約束を得るとともに、同じ立場の住人4名と対策を練り、要望をまとめて次の話し合いの機会を待ちましたが、その機会は訪れず、平成8年3月に突如として開発が始まったというものです。
本宅地開発は総面積が約4,800㎡で、1,000㎡を越えておりますので許可権は県にあります。しかし市には「八街市宅地開発指導要綱」があり、それに基づいて業者を指導する義務があります。指導要綱によりますと、業者は開発に先立ち、事前協議申請書により、市と協議し、同意を得ることになっております。また市は提出された事業計画について、八街市宅地開発連絡協議会で、計画の適否並びに設計その他調査及び検討を行うものとしております。これを規定どおり行っていましたら、市は本宅地開発の実態を十分認識できたはずであり、隣接住民の環境がどうなるのかもある程度把握できたはずであります。県に許可権があるとはいえ、指導要綱に謳っている手続通り業者が作業を進めているか、確認の義務はあったわけであります。
尚、「都市計画法」では、隣接住民の同意を規定しておりませんが、それを補完するかたちで各自治体に指導要綱があり、それには自治体の意思で隣接住民の同意を得る規定を謳うことができます。しかし、やむを得ず同意が得られない場合、理由書の提出で許可できることになっております。しかしこの理由書は開発業者が出すもので住民はその存在さえ知らないものであります。平成7年当時は、八街市でも宅地開発指導要綱に隣接住民の同意を謳っておりましたので、開発業者はそれに従わなければならなかったはずであります。しかし、業者は、指導要綱が法律ではなく強制力がないこと、やむを得ない場合理由書の提出で許可されることを熟知しており、適当に書類を整え、市に提出し、市は提出された理由書の内容を確認することもなく県(印旛土木事務所)に進達し(平成8年1月12日付)、県は許可してしまったのが本件の実情であります。
この「適当に書類を整え」ということですが、それは宅地開発が開始され、そのやり方に納得がいかず、同時に著しい日照権の侵害にも悩まされるようになったK氏が、独自の調査で明らかにしたものであります。市より県へ進達された理由書に虚偽の内容が含まれていたのです。業者はK氏と平成7年11月に1回しか打ち合わせしていないにもかかわらず、3回打ち合わせしたと記載されていたのです。その他の当事者もしかりであります。してもいない打ち合わせをしたように記載し、それだけ手はずを踏んでも同意が得られなかったため、やむなく理由書で提出したという内容で、偽りそのものであります。
尚、市が当初約束した仲介に付きましても、工事が始まるまで仲介らしきことを行っておりません。その最初の仲介も、K氏の進言で行ったのが実情で、それは平成8年4月5日でした。その会合は許可前の白紙の状態で打ち合わせる約束でありましたが、都合9回行っても、業者は一方的な態度で固執したため決裂し、以降交渉には姿を現わしませんでした。業者は県から許可を受けているという理由で、強固であり、譲ろうとしなかったことが決裂の原因であります。許可した後では隣接住民の権利を守る仲介が難しくなるのはもちろんであります。
その後もK氏は市に訴えますが、市は「許可権は県にあり県の責任」と一点張り、県は「手続は正当で問題なし」の一点張りで埒が明かず、たまりかねて訴訟も起こしましたが、大事な手続き上のことが争われず、1年の出訴期間を経過しているとの理由で門前払い敗訴となりました。K氏は、大事な手続き上のことが争われたら困るからそうしたものと捉え、逆に県の敗訴と認識しております。その後も継続してK氏は訴え続け、今日に至っているわけですが、K氏の主張に理があると認めますことから、今回本議場にて採り上げることにした次第です。その理とは以下であります。
本市には「八街市宅地開発指導要綱」があり、本宅地開発もそれに沿って行われるべきであります。指導要綱によりますと、業者は開発に先立ち、事前協議申請書により、市と協議し、同意を得ることになっております。また市は提出された事業計画について、八街市宅地開発連絡協議会で、計画の適否並びに設計その他調査及び検討を行うものとしております。これにより市は本宅地開発の内容を十分認識していたはずであります。K氏は開発計画を知った直後に市から仲介の約束を得ており、即刻それが行われていれば、市は計画の十分なる認識の下に仲介できたはずであります。その段階では県の許可前ですから、それこそ白紙の状態で業者と対等に交渉ができたはずであります。その交渉を経た後、指導要綱通り、同意を得て、書類を提出すれば何の問題も生じなかったのであります。あるいは、交渉を経ても同意できなかった場合、折り合わなかった理由をはっきりさせ、それに対する責任の所在を明らかにして、そこでやむなく理由書で提出するならば、理屈が通るのであります。その場を設けなかった市には責任があること明確であります。正しい手順を踏みもせずに、同意が得られなかったという偽りの内容を記した理由書の提出を受け、事実の確認をしないまま県に進達した市の責任は確かにあるものと考えます。またそれを受け許可した県にも責任があるものと判断致します。よって市・県もその非を認めて改めて和解のテーブルに付くべきと考えます。
そこで質問事項1.宅地開発許可問題について、要旨1.としまして「本宅地開発における市・県の手続・対応は適切であったのか」本議場にて正式にお答え願います。
次に、K氏が提起してくれた問題は今後当市の宅地開発のあり方を考えるために極めて重要と考えます。また平成13年度に行われました「都市計画法」の改正は本市の都市計画にも大きく影響してきております。これは、地方へ権限を委譲する方針での法律改正でありました。それに従い、県の宅地開発指導要綱も一昨年大きく改正され、日照権を含めた多くの大事な条文が削除されております。それらは各市町村で定められるべきとの理由からであります。これは、当市では、県の指導要綱で削除された部分を含めて、今後いかに指導要綱を改正するか対策が練られていなければならないといことであります。それが確定しない状態の今、宅地開発に関して極めて混乱した状態にあるものと判断致します。
そして不安も生じてまいります。それはK氏宅隣接、宅地開発が始まった平成八年には、市の指導要綱第4条2項に「開発区域に隣接する土地所有者等との同意の書面を交わした後事業を施工しなければならない」と謳っておりましたが、平成9年の改正時だと思いますが、削除されていたのです。これも市民には大変重要な点であります。ここに隣接住民の権利を守る条項を削除するという、後ろ向きな市の姿勢がみえ、前記権限委譲に正しく答えられるのか心配になります。この不安も大事だと思いますのでここで述べておくことに致します。
さて、本件で提起された問題を踏まえて、また、国の権限委譲の方針にも則り、八街市の指導要綱を充実させなければなりません。そのために、まず本件から学ぶことができ、訂正しなければならない点は以下であります。
1.かつてあった「八街市宅地開発指導要綱」第4条2項「開発区域に隣接する土地の所有者等との同意の書面を交わした後に事業を施行しなければならない」。これを業者が怠ったことから発生した問題でありますので、この条文を再度定めること。
[尚、旧建設省と自治省(現国土交通省と総務省)が平成九年に全国の自治体を対象に行った「宅地開発等指導要綱の現状について」というアンケート調査ですが、宅地開発に際して周辺住民との調整を規定している指導要綱数は1,119件あり、うち同意を条件としている要綱数は407件で千葉県では22件あり、協議を条件としている要綱は218件で千葉県は6件、説明会を条件としている要綱は302件で千葉県は7件です。尚八街市は協議を条件とすると回答しております。]
2.市は(1)の手続を怠った業者が提出した、偽りの理由書を、内容の確認もしないまま県へ進達してしまったことから、理由書での届出の場合しっかりとその内容を確認すること。
3.市は当初仲介を約束しておきながら、許可後にそれを行ったことから、工事開始前の仲介を明文化すること。
4.市の宅地開発指導要綱では、中高層住宅を建設する場合のみ、日照権問題で隣接住民とよく打ち合わせるようにと謳っておりますが、一般住宅では明文化していないため、それを明文化すること。
5.1,000㎡以上の宅地開発は県の許可となっており、市に許可権がないことから、宅地開発全てにわたって市が許可権をもつこと。
6.平成13年度の改正で県の指導要綱から削除された部分を検討し、必要なものは市の要綱に取り入れること。
7.指導に従わない場合の制裁措置を設けること。例えば、必要な協力を行わない、事業又は事業者名を公表する、上下水道の供給を行わない、罰則を設ける、関連公共公益施設の利用拒否、都市計画法第32条の協議・同意を行わない、開発許可者への進達を行わない、八街市内で開発をさせない等であります。これは大事な点で、もしなんらかの制裁措置を設けていれば、指導要綱に沿って開発準備が進められているか注意深く見守るはずだからであります。私が聞いた八街市の態度は「隣接住民個々に確認していたらたいへんだ」という言葉に象徴されるところでありまして、これは業者を指導し隣接住民を守る態度ではありません。八街市は適切な制裁措置を設け、正しく指導すべきであります。
8.職員は指導の透明性・平等性の確保に努めること。
等が改められるべき点と考えます。
ご存知のように、八街市はその長期計画において人口10万の中核都市を目指すとしました。これはかつての3倍近くの人口を計画したわけで、その受け入れ態勢において、どの自治体よりもしっかりした都市計画があってしかるべきであります。しかし現状の指導要綱しか未だないということは片手落ちであります。それまで住んでいた人口の2倍以上の新しい住人を迎えるには余りにも失礼な迎え方と考えます。秩序のない開発による人口の増加をやめさせるためにも、K氏に生じた問題をしっかりと受け止め、対策を練ることは重要と考えます。
私はまた八街市都市計画審議会委員の一人として、先般「八街市都市計画マスタープラン(案)」を了承しました。そのなかで、当市は区域区分を定めないとしております。いわゆる線引きをしないということです。線引きを行わないならば行わないでも線引きに負けない都市計画が必要であり、それにはしっかりとした宅地開発指導要綱が求められます。私は都市計画審議会委員の立場からも、指導要綱の充実、あるいは条例への格上げを求めるものであります。
そこで、要旨2としまして、隣接住民の権利を守り、良好な住宅環境を供給するための新しい条例の制定について、市長のご所見をお尋ね致します。
2.治安問題について 新しい組織犯罪の実態と対策について
次に、治安問題についてお尋ね致しますが、そのなかでも新しい組織犯罪の実態と対策についてお尋ね致します。
初めに申し上げて起きますが、最近の犯罪はこれまでの常識を逸脱したものがありますので、常識を一時脇に置くぐらいの気持ちでお聞き頂きたく思います。また今日行われている人権侵害行為は恥を晒さなければ説明できないものであることも大事な点であります。それほど人のプライバシーに深く入り込んでの人権侵害が行われているということです。この常識を逸脱した人権侵害行為の中でも、割と理解しやすく、八街市の社会構造のなかにしっかりとシステム化されつつある組織的人権侵害行為を本日は取り上げることに致します。
組織犯罪と申しますと、暴力団による犯罪を想起されると思いますが、ここで採り上げます組織とは、社会に普通に存在する組織体によるものであります。例えば、巷にあふれている店舗・公共施設等であります。そこで行われている不可思議な差別的嫌がらせ行為がここでの主題であります。
内容としましては、買い物時のレジでの不審な嫌がらせがあります。不思議と他の人間には「ありがとうございます」とはっきり言いながら、私には言わない、また札を裏返して出してくる等であります。これが一軒だけならば不思議にも思わないのですが、頻発し、担当のおかしな態度をみれば、作為があることを確信せざるを得なくなります。
さて、この「ありがとうございます」を言わない、札を裏返して出すことですが、これは個々には小さなことでありますから、これを警察に訴えて犯罪捜査の対象としてもらうには大変難しいものがあります。しかし、平成12年4月25日に、このことを警視庁の生活安全課で相談しましたところ、そのようなことがあったら警察を呼べと言ってはくれたのですが、その程度のことで警察を呼ぶのは正直はばかるものがあります。またこれを人権侵害として人権擁護委員会に訴えたとしましてもおそらく手の打ちようがないものと考えます。しかしそれが組織的なものと分かれば話は別であります。
それでは、この手の嫌がらせを組織的に行う方法ですが、まず訓練をしていないとできないことでありますから、社内的に教育がなされていることが考えられます。またある特定人にだけ差別的行為を行うように指示できる技術的手段が確立されていなければなりません。これにつきましては、店内でシステム化されていると感じる店と、外からの支持に従っていると感じる店があり、一律ではないことを窺わせます。またこのシステムを稼動させるには、特定人を行く先々まで追いまくるストーカーシステムも確立されていなければなりません。その技術の発達も大変なもので、それは八街を離れてもこの差別的人権侵害行為を経験していることからよく分かることであり、全国的広がりを想像させるものがあります。相当実力のある組織がバックになければできないことと考えます。
さて、それにしましても何事にも正当性があることを考えますと、いかなる正当性が考えられるでしょうか。治安、防犯のために設けられたシステムということが考えられます。しかし治安・防犯のために「ありがとうございました」を言わない、札を裏返しに出す必要があるでしょうか。システムの構築には正当性が見出せても、利用の方法に正当性を見出すことは難しいように思います。これはシステムを構築した正当性に沿ってそのシステムが使われていないということであり、正当性を利用して、差別的嫌がらせを行うノウハウが注入されたものと考えることができます。
それでは、街のなかにまでそのような治安・防犯システムが稼動していたとして、なぜ犯罪が減らないのかも不思議なところであります。私の経験からは、本来テロ対策のように、危険人物をチェックするために使われるべきシステムが、無実の人間をストーカーするために使われだし、しかも相当の精力がそれに使われているように思えてなりません。それほど根本的な犯罪捜査上の大転換がなければ、平成に入ってからの極端なまでの刑法犯罪認知件数の増加と検挙率の低下は起こり得ないと考えます。人間の作った道具は両刀の剣となり得るものであります。最先端の治安・防犯システムを駆使できるところが、最もその盲点も認識できる部所であります。私が経験している組織的人権侵害行為はそれほど根本的な元を正さなければ是正されないものと考えます。
以上、社会にシステム化されつつある新しい組織犯罪の実態をお知らせしますとともに、その対策をお尋ね致しますが、この問題は日本の最も黒い部分に抵触する問題と考えますので、長谷川市長には、腰の座った、命がけのご答弁をお願い致します。