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2005年一般質問(4件)

行財政改革について

2005年3月議会一般質問      民主やちまた 石橋輝勝

 

民主やちまたの石橋輝勝です。本議会では行財政改革についてお尋ね致します。

八街市では、本年度、行財政改革推進室が設け、3月議会に先立ち、来年度より実施される改革の内容が提示されました。行政改革につきましては、平成6年10月に旧自治省より「地方公共団体における行政改革推進のための指針について」、平成9年11月には「地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針」が出され、各自治体が取り組んできたところでありますが、そのなかでは、庁内に行政改革推進本部を設置すること、行政改革大綱を自主的に策定すること、大綱策定にあたって住民の代表者からなる行政改革推進委員会等を設置して外部の意見を反映すること等が謳われております。これに基づいて当市でも八街市行財政調査会が組織され、平成8年2月に「八街市の行政改革の指針について」という意見書が出され、同年8月には「八街市行政改革大綱」が作成されて実施に移されております。しかしそれは平成10年で終わり、その後頓挫していたというのが実情と聞いております。そして今回再度行財政改革の具体策が出てきたわけですが、庁内だけの検討でその内容を決め、3年間で実施するという、窮余の策という感を拭えません。これは国の指針に盛られている手続き(行財政改革推進委員会の立ち上げ、行財政改革大綱の作成)を取らないだけでなく、当市の長期総合計画基本構想に盛られている市民との協働にも反するものであります。

さて、それでは行財政改革に取り組む目的でありますが、財政が逼迫していることから、その収支の均衡を目指すことはもちろんですが、規制緩和・自由化・IT化等による経済環境の変化、核家族化、少子高齢化、男女参画社会等の社会環境の変化に対応して、適切・効果的に行政サービスが行えるよう態勢を整えていくことがその目的と認識しております。そしてその手段として広域での取り組み、合併の促進、さらには道州制移行と地方分権政策が政府の方針として打ち出されており、それらも考慮に入れて取り組まれるべきことと考えます。政府の指針では合併・道州制移行への前段階として、広域での効率化、広域連合制を謳っているところであります。広域での取り組みにつきましては、12月議会で、当市焼却場の広域利用による収入の確保と環境問題への取り組みの両面の対応が可能であることを提案したところであります。しかしその焼却場は、外部のごみを持ち込まないという周辺住民との約束の下に建設されたとのことであり、その提案に理解が得られるものか問題ではありますが、市の財政状況等を考えれば、市民挙げて説得に努めることも考えなければならないことと考えます。このように広域行政を上手に使って、行政コストを引き下げ、将来に耐え得る行政システムに改革していく試みは、政府の指針を待つまでもなく、絶えず追求していなければならないことと考えますが、はたして市はいかがお考えでしょうか。そこで質問致します。 

質問要旨1.今回の行財政改革に広域行政を活用する方法は盛られているのか。盛られているとしたら具体的にどのような内容か、お尋ね致します。

 

次に、大池第三雨水幹線事業についてお尋ね致します。昨年日本列島を縦断した度重なる台風による豪雨で、当市も多大な被害を被ったわけでありますが、大池第三雨水幹線で予定されている雨水処理地域ではそれほど大きな被害が生じなかったと聞いております。しかしこの地域の水が高崎川により佐倉市から印旛沼に流れ込んでおりますことから、中間地点である佐倉市では、9月4日の豪雨で床上浸水2世帯、床下浸水62世帯と大きな被害が出たと聞いております。またあと15センチ水位が上がっていたらあふれていたとの報告も受けております。大池第三雨水幹線でカバーできる地域は下流の佐倉市と雨水でつながっていることから、広域での対応が必要とされるところであります。この面での取り組みはある程度なされているようですが、市民にははっきりと見えておりません。もっと広域対応の必要性を強調して、市レベルから県レベルに格上げし、上流下流を一環した事業として展開することが適切と考えます。さらには昨年の度重なる豪雨で、日本全体に甚大な被害が生じたことを考えますと、防災対策を列島規模で展開する必要があることもよく分かったところであります。そして今後、国・地方ともに財政が逼迫していることから、消費税を含めた増税が予定されていることを考えますと、今真っ先になされるべきことは、国民一人一人にあまねく利益がいきわたる経済政策の実施であります。人体でいえば毛細血管まで浸透する経済政策が何よりも求められているのであります。それに答えるには、豪雨による被害から考えれば、市街地だけでなく農地まで含めて、その隅々まで行き渡った排水・治水対策であります。昨年の災害の痕跡は各自治体がしっかりと把握しているところでありますから、計画は立てやすくなっているはずであります。さらに測量を徹底して万全な排水・治水対策を列島規模で展開し、今後豪雨によって国民の財産を一円たりとも損失することがないようにすることであります。これは国民の懐から出るお金を抑えるという意味で間接的に全体が潤う政策であります。昨年の災害をいい教訓として、災いを福と転ずる政策でもあります。そのためには整備新幹線のような大型事業はすべて10年先送りし、これからの10年間は国民一人一人にあまねくいきわたる経済政策を先行実施すると宣言すべきなのであります。その上での増税なら国民も納得するというものであります。このように考えますと、大池第三雨水幹線工事は国家事業の一つとして実施できるようになるわけであります。本工事はそのように大きな事業の一つとして行うことが理想で、行財政改革の最中にあることもあり、八街市単体で来年度に行うのは控えるべきだと考えますが、市長はどのようにお考えでしょうか。そこで

質問要旨2.行財政改革のなかにあって、大池第三雨水幹線事業はどのようにそれに寄与するのか。またその必要性について、お尋ね致します。

 

次に八街駅北側土地区画整理事業についてお尋ね致します。八街駅北側土地区画整理事業および南北自由通路の建設にこれまで莫大な金額が投入され、また来年度も6億円を越える予算が計上されております。それだけの資金が投入されるからには、その必要性のしっかりした説明と、それによる見返りの説明がなければなりません。駅は街の顔であるだけでなく、環境問題を考えれば、将来にわたって欠かせない交通手段の拠点でありますので、将来に耐え得るものとして整備していくことは当然であります。また将来に耐え得る駅とするには必要とされる諸施設が駅周辺に存在しなければなりません。今後男女共同参画社会が進展することを考えますと、産後の女性でも働けるように駐車場つきの保育園、帰りには買い物ができる店舗がなければなりません。また人口の半分以上が他市町村から移られた方となった当市では、何らかの形で当市を訪れる人を収容できるホテルが必要となっております。このように駅周辺に必要不可欠の施設を建設していくにはそのための意思表示をはっきりとしなければできないことであります。しかしその開発行為は市で行うことではなく、民間活力で行われるべきことでありますから、投資意欲のある民間人や企業、地元住民の方々を集めて、現地を見てもらうだけでなく、市民に必要不可欠な施設を考慮に入れて投資して頂くようお願いする場を設ける必要があるように思われます。地元地権者の方々からは市から何の提案もないことへの戸惑と不満がありますことからも、市長の積極的な働きかけをお願いするものであります。そして一刻も早く税収増につなげ、行財政改革の実を挙げることに寄与するものとなるよう、対策を方々お願いするものであります。大きな投資からは大きな利益が期待できる建設が望まれるわけで、この場所に経費のかさむ施設の建設には反対するものであります。そこで

質問要旨3.八街駅北側土地区画整理事業を行財政改革につなげる対策について、お尋ね致します。

 

次に合併問題についてであります。合併につきましては、平成11年「市町村の合併の特例に関する法律」いわゆる合併特例法の制定によって、多くの自治体が取り組んでいるところでありますが、平成12年地方分権一括法の制定によって普通地方公共団体が地域における第一義的な統治団体と位置づけられたことにより、それに拍車がかったように思われます。また社会構造・経済構造が大きく変化するなかで、それに最もよく適合して新しい行政サービスを効果的に行える受け皿として、「基礎自治体」という造語が作られ、これまでの普通地方公共団体と比較して考えられるようになりました。これは、例えば、これまで家族が担ってきた福祉の機能が、核家族化、少子高齢化、男女参画社会等により従来のように機能しなくなったことから、それを今後だれがどのように担っていくのかという問題が生じ、行政で多くをまかなうのか、民間に頼るのか、選択を迫られているのでありますが、どちらにしても家族の手を離れることから費用がかさむことは避けられないわけであります。しかも経済環境の大きな変化と低迷のなかでそれを行っていかなければならず、実現が非常に難しいことから、取り敢えず「基礎自治体」という理想の概念を作って、それに近づくためにどのような努力を地方公共団体はしたらいいのか考えるようになったということであります。これまでのように普通地方公共団体をそのまま維持して内部改革で基礎自治体に向かおうとするのか、他市町村と連合してそれに向かうのか、他市町村と合併してそれに向かうのかの、あるいは全く違う方法でそれに向かうのかの選択を迫られているのであります。これはあくまでも将来に耐え得る「基礎自治体」となることが目的で、合併はそのための一つの手段であるということであります。そしてどの道をたどるにしても行財政改革は不可欠であり継続されなければならないのであります。

さて、そのような議論は別にして、現実に合併を必要としている自治体があることは先般北海道庁に視察に行きしっかりと認識することができました。北海道は人口1万に満たない自治体を多く抱えており、そのような自治体では役場と公共工事が主な産業基盤であること、その規模では一人当たりの行政経費が非常に高くなっていることから、自治体の体力をつけるために合併を積極的に働きかけているということでありました。ちなみに平成13年度の人口一人当たりの歳出を人口段階別にみますと、人口5千人未満の団体が103万5千円、5千人から1万人が62万9千円、1万人から2万人で43万8千円、3万人から4万人で36万1千円、5万人から10万人で34万6千円となり、人口20万人から30万人で32万4千円と最低となるとのことであります。このデーターから人口20・30万人の数値は合併するしないにかかわらず努力目標としなければならないものとなるのであります。

それでははたして人口7万8千人ほどの当市でも同じように合併に踏み切る必要があるのでしょうか。「市町村の合併の特例に関する法律」、「地方分権一括法」によって国の方針は明らかになっておりますが、目指すところは先ほどの基礎自治体にふさわしい存在となることであります。経済環境、社会環境の変化に対応して、時代にあった適切で効果的な行政サービスを行える自治体になることなのであります。これは当市がどのように基礎自治体としての態勢を整えようとしているのかしっかりと説明できなければならないということであります。これに対して「市民や議会での盛り上がりを待つ」ということでは問題が全く理解できていないのであり、見当違いの説明であります。周りの状況に関係なく、基礎自治体というにたる存在になるためにいかに当市が取り組んでいるのか、それがいかに妥当な方法なのかをはっきり説明できなければならないのです。そして当然結果が伴わなければなりません。以上のことから、政府の方針に合併による地方分権の実現がある以上、合併を一つの手段として視野に入れておかないわけにはいかないわけですが、あくまでも基礎自治体にふさわしい存在になるという所期の目的を達成する観点から、その対処方法を模索していくべきだと考えますが、はたして市はいかにお考えでしょうか。そこで

質問要旨4.行財政改革を徹底するために合併は視野に入れているのか、お尋ね致します。

 

次に、行財政改革を徹底するために国・県に要望していく内容についてであります。自由化、規制緩和、グローバル化、IT化、少子高齢化、女性参画社会、核家族化等によって日本社会は大きく変わろうとしております。家族が担ってきた仕事を行政が行わなければならなくなるということだけでも、莫大な社会資本の整備が必要であり、資金が必要となります。しかし一方では自由競争・規制緩和・国際競争にIT化が拍車をかけて、利益率が下がるばかりでなく、一極集中化、経済の空洞化が起こり、ついこの間まであった終身雇用制は破壊され、節操のないリストラ社会となっております。その結果、勝ち組負け組みといういやな言葉に代表される極めて偏った経済社会となっているのです。この急激な変化には経済の一大変革期を巧みに利用して支配を企む意思の存在を疑わざるを得ません。このようななかで能力主義が唱えられていますが、本当に能力のある人は他を慮るもので、全体が潤うように自然と頭を働かせるものであります。このことからそれは似非能力主義であることは明らかであります。そのために改革、改革と言われても、安心感が全く伴ってこないのです。一部に富が集中して、大衆が貧窮しているなかで、負担だけは平等に求めるというのですから市民の不満は高まって当然であります。高負担が避けられない社会状況となっていることは確かなのですから、市民の不満がこれ以上増さないように、政府にはあまねく利益がいきわたる経済政策への転換とその先行を強くお願いするものであります。それには外交も必要でありますことから、それも含めた大きな政治が行われることをお願いするものであります。昨今この大きな政治が行われず、風下の年金問題ばかりが論じられており、日本人は大きな政治はいい、小さな政治をしていればいいのだという意思が働いているように思えてなりません。まるで重箱の隅の突っ突き合いをさせられているようであります。骨太といわれる三位一体改革を見ても、税源を移譲したとして、それによって経済状況・社会状況はなんら変わりません。それがなぜ骨太なのでしょうか。当民主やちまたは大きな政治を国・県に求めるものでありますが、はたして長谷川市長はいかがお考えでしょうか。そこで

質問要旨5.行財政改革を徹底するために、どのようなことを国・県に要望していくのか、お尋ね致します。

以上明快なるご答弁をお願い致します。

福祉政策について

2005年6月定例議会一般質問 2005年6月6日(月)

 

質問事項:福祉政策について

 

「民主やちまた」の石橋輝勝です。6月議会のトップを切って八街市の福祉政策についてお尋ね致します。

 

 昨今福祉の問題が注目されるようになり、その背景には様々な要因が考えられるところですが、根底には、誰もが平等に豊かさを実感したいという切実な願いがあるものと考えます。福祉については、これまで、社会的弱者救済という意味合いが強かったわけですが、時代が変わり、少子高齢化・核家族化からの要求として、幼児から学童にいたるまでの子育て支援や高齢者の介護支援が、バブル経済の崩壊による経済面からの要求として、リストラによる生活支援、多重債務者問題、そして健康保険・年金制度の運営上の問題がクローズアップしてきました。また交通事故の多発から障害者の増加と社会復帰の問題、医療面からはテクノロジーの発達による高額医療費の問題、長期入院治療費の問題、社会面では家庭内暴力の増加と被害者の保護、離婚の増加によるひとり親家庭支援の問題、男女共同参画社会への要求からは女性が働きやすい環境整備の問題、街づくりの観点からは福祉を取り入れた次世代に耐えられる街づくりというように、社会的弱者のための福祉から市民全体のための福祉へと、福祉の対象が大きく変化してきたのが今日の状況と考えます。以上のことから、社会的弱者も含めて、だれもが平等に豊かさを実感できる社会を実現しなければならないという使命を福祉が負うようになったものと考えます。

そのような市民の要求に対して、法律面では、平成12年に社会福祉事業法が改正されて社会福祉法となり、第107条で、各市町村で地域福祉計画を策定することが謳われ、108条では、それを助けるために都道府県では地域福祉支援計画を策定することが謳われました。これは地方分権へ進んでいることから、地域の福祉は地域でしっかり立案して実施しなさいという意思表示と受け取ることができます。

しかしこれまでも各自治体では福祉政策を実施してきており、当市では社会福祉協議会が設立されて50年が過ぎ、法人化されて四半世紀が過ぎております。平成8年には八街市総合保健福祉センターが完成し、保健サービスと福祉サービスが効率よく受けられるようになりました。また「八街市老人保健福祉計画」、「八街市障害者基本計画」、そしてこの度が「八街市次世代育成支援行動計画」が策定され、昨年度は新総合計画基本構想が決定して、その三の街に「めざします!安全で安心な街」とあり、これが福祉を目的とした項目で、今その実施計画の策定中と聞いております。そこでそれらの計画と地域福祉計画がニアイコールと考え、それらをもって地域福祉計画としていいものか問題となります。またこれだけ計画や設備が整っていながらさらに地域福祉計画が必要なのかも問題であります。しかし福祉の目的を社会的弱者も含めてだれもが平等に豊かさを実感できることと大きく捉え直すことによって福祉政策が相当強い存在になることは間違いなく、それによって社会的弱者救済という目的もこれまで以上に達成できる道が開けてくるものと考えます。よってそのような視点で地域福祉計画を策定することは意味があることと考えますが、市はいかがお考えでしょうか。そこで

質問要旨1.「八街市地域福祉計画」を策定する計画の有無について

お尋ね致します。

 

次に県との関係であります。社会福祉法の改正によって県では地域支援計画を策定するように謳っておりますことから、千葉県では「千葉県地域福祉支援計画」を策定しております。それを見ますと、「超福祉」という造語を作って、社会的弱者が自然に受け入れられ生活できる社会を「誰もが、ありのままに、その人らしく、地域で暮らすことができる」社会と表現して対策を記しております。この県の計画からは、社会的弱者救済という観点から、その面でより成長した社会を実現するのだという意思を読み取ることができます。そしてそのような県の計画に賛同して福祉に力を入れるモデル自治体を募集しております。この県の計画に乗ることによって、県単独で実施するモデル事業の優先割り当て、予算上の支援、県のノウハウの提供等を約束しており、当市としてはメリットがあるものと思われますが、その募集に応じる考えがあるのかお尋ね致します。そこで、

質問要旨2.「千葉県地域福祉支援計画」にある内容との連携について、その①としまして「千葉県地域福祉支援計画」にある「ちばの地域福祉・先駆的(モデル的)市町村」の募集に応じる考えの有無についてお尋ね致します。

 

次に、県の支援計画では、保健福祉センターが置かれている14箇所に「中核地域支援センター」を設置するとの方針であり、すでに完成していると聞いております。ここ印旛郡区では社会福祉法人「愛光(愛称:すけっと)」に事業が委託されているということであります。それではその事業内容とそのセンターとの連携をどのように図っていくのかお尋ね致します。そこで、

質問要旨2、その②としまして、「千葉県地域福祉支援計画」で謳われている「中核地域支援センター」の役割と当該センターとの連携についてお尋ね致します。

 

次に福祉として捉えるものの範囲と予算についてであります。これは市が福祉をどのように捉えるかで相違してくるところであります。これには総合計画全体を福祉のための計画と大きく捉えることもできますし、そのなかの「三の街」にある事業をそれとする狭い見方もできますが、社会的弱者を含めて全ての人が豊かさを実感できるために行なう事業全体と捉えることもできます。そしてこの最後の捉え方での事業内容とその予算および今後の動向をお聞きしたいところでありますが、はたして市の考える福祉の範囲とその予算、また今後の動向はいかがなものでしょうか。そこで、

質問要旨3.市が「福祉」の範疇として捉える事業とその予算および今後の動向について

 

 次に広域対応で福祉予算の縮減を図る方法であります。誰もが豊かさを実感したいという意味での福祉の充実要求は強まることはあれ弱まることはないものと考えます。これは予算面においても一層負担がかかることが予想されるわけであります。一方では財政の逼迫から予算の縮減が大眼目となっており、この矛盾にいかに対処するか苦慮するところと考えます。そのようななかで、広域で予算の縮減を図る方法として、介護保険での取り組みを始めている自治体があります。また県との連携も大事な方法であります。限られた予算ですので、いかに効率的に使っているか明確に説明され、それでも対応できない場合にどうするのか考えなければならないわけですから、広域対応はその説明のための一つのステップを踏むことであります。そこで質問致します。

質問要旨4.広域対応で福祉予算の縮減を図る計画の有無について

 

 次に社会福祉協議会についてであります。社会福祉協議会は1950年代前半から存在する歴史のある独立した団体であり、当市でも昭和28年に設立され、昭和54年に法人として認可されました。歴史は大変長いものがありますが、今ひとつ市民に理解されていないように思われます。しかし福祉の展開において大きな役割を担っていることは事実であります。そこで市は当該団体にいかなる役割を期待しているのかお尋ね致します。そこで、

質問要旨5.市が八街市社会福祉協議会とどのように役割分担をして福祉を推進していくのか

 

次に市民との協働についてであります。新総合計画基本構想では七の街に「めざします!市民とともにつくる街」とあり、市民との協働をはっきりと謳いました。そしてこの市民と協働して市政を運営していく取り組みは全国的な傾向となっております。これは地方分権を実りあるものとするために、地域での政策立案能力が試されるようになったことにも要因があると考えます。当「民主やちまた」が先般視察しました茅野市では、市民に丸投げという方法で地域福祉計画が策定されております。それが市長の方針だそうで、その様子が著書『福祉21ビーナスプランの挑戦』として出版されております。市民丸投げでも社会福祉法で規定される以前に地域福祉計画を策定していたというのが正に先進的であります。

この市民に丸投げによって現実に即した計画になる可能性があります。それは介護保険制度等福祉に関する新制度が始まって新しいこともあり、さまざまな問題が現場サイドにあることを聞いておりますことから、それらの問題はこれから福祉を充実させていくために大事な資料となります。福祉現場の問題を上手に吸収して改善し、より福祉を充実させなければなりません。そのためには地域福祉計画を立案する一つの主体として福祉現場に丸投げしてみるのも方法と考えます。

しかし市民に丸投げといってもその影で職員は相当苦労しているのも現実であります。今回視察した茅野市だけでなく、行政主導で地域福祉政策を策定した諏訪市も、支援計画を策定した千葉県庁も市民との協働という建前を踏襲するために並々ならぬ苦労をしております。これは日本が代議制を採用していることから、市民の意見を議員が代弁して行政に活かしてもらうことが一般に期待されており、なぜ市民がそこまで協働しなければならないのか理解しかねていることにもあると思われます。しかし今回の地域福祉計画の策定は市民が参加して共につくることを大前提にしていることから、その対策を考えなければなりません。そこで、

質問要旨6.市民と協働して地域福祉計画を策定し、推進していくための対策について

 

 次に、保険、医療、福祉、それぞれのサービスが統合された施設づくりについてお尋ね致します。当市では平成8年に総合保健福祉センターが完成し、保健と福祉が統合した設備が既に完成していると考えることができます。医療面においては従来どおり民間の病院・医院に頼る態勢であります。今後市民ニーズとして医療における24時間対応、一箇所で保健・福祉・医療すべての用が足せる施設、健康診断を地元で随意に受けられる態勢、患者の立場に立った診察等が求められてまいります。病院側からは経営の問題、高度な診療態勢整備の問題等があり、個人医では対応しかねる時代になっていると考えます。これら全てを満足させるには保健・福祉・医療が統合された地域医療体制へと向かうものと考えます。このように考えますと、総合保健福祉センターは新しいようですでに古くなっていると考えることができます。これから計画しても10年20年を要しますので、先を見越した保健・福祉・医療態勢の整備が望まれます。これは街づくりに大きく影響してまいりますので、将来を見据えて、関係各団体と密接な協働作業が今から必要と考えます。そこで質問致します。

 

質問要旨7.保健・医療・福祉が統合された施設づくりについて

 

 次に福祉教育についてであります。昨年の6月議会で「環境文化都市宣言」の下、環境という言葉で全ての基本構想を統一する提案をしました。環境はそれぞれのつながり・関係を重視することであります。何事も理由があってそうなっているのですから、その関係を説明できなければなりません。行政において説明責任が重要視される時代においては欠かせない思考方法であります。そこで総合計画では八つの基本構想を環境という言葉で統一する提案をしたわけであります。これによって基本構想間の関係、そのそれぞれから派生する施策、事業との関係が明瞭になり、たくさんある事業計画のなかでそれぞれの位置が明確になるのであります。このように関係を理解して、説明すること、そして自分の位置を確認していくことがこれからの教育と考えます。そして自分の位置が理解されると、自分の存在を感じるようになり、生きがいとなるのであります。行政の仕事は営利を目的とせず地域に根差しておりますので、どの仕事よりも自分の位置がよく理解され、また地に足が着いた仕事であることが理解されるはずであります。その点が民間企業と決定的に相違するところであります。このように関係を考え、自分の位置を理解して、地域に根差していこうという意識が芽生えることが大事で、その意識が協働につながるものと考えます。そのようなことを教える教育が義務教育の主流となることによって、思考も地に足が着いたものとなり、福祉の考え方もしっかりしたものとなるものと考えます。そのように指導する新しい教科書が待たれているのです。そこで質問致します。

質問要旨8.今後の福祉教育の在り方について

 

次に、国・県に要求することであります。教育問題で触れましたように社会は関係で成り立っているわけですから、福祉を求める要求が強まれば予算が増加し、それを捻出しなければならないわけですが、それを増税に頼ろうとすると、バブル経済の崩壊以後、経済的平等感が著しく失われている中で、負担だけ公平にといっても受け入れられるものではありません。しかもいつリストラされるか分からない不安の中で必死に働いているなかでさらに協働を呼びかけるのは余りにも酷に思えます。そこで役割分担を明確にする方法が考えられるべきであります。ボランティアについては阪神淡路大震災、山陰沖タンカー事故以来声高に叫ばれるようになりましたが、マスコミ・メディアを使って誰もがボランティアをしなければならない雰囲気を作り上げております。しかしこれは他国のものを短期間でまねようとするからそのような方法にでるものと考えます。またこの方法はかつて戦争へ国民を導いた方法と同じではないかと思えるものもありました。いつまで同じことを繰り返すのかと大変腹立たしい思いもしたものであります。山陰沖タンカー事故の場合などは、速やかに自衛隊を派遣して、忙しく働いている一般国民には一切迷惑を掛けずやってみせますと宣言することもできたはずであります。要ははやるべき人がやるべきことを速やかにすることが何よりも大事であります。しかし一つ思ったのは自衛隊服での作業は今の日本人の感覚に合わないということであります。そこで防衛費を大幅に削減して、その費用で福祉活動を学び実行する団体を組織することであります。そして、18歳以上25歳までの若者に呼び掛け、3ヶ月間の研修と1ヶ月の実習を行う方法であります。ことがあれば実習生を派遣して復興にあたらせるのです。このように役割分担を明確にして、だれでもかれもボランティアに参加しなければならないような雰囲気作りはしないことであります。そしてそれがまた福祉であると考えます。

次にやるべき人がやるべき仕事をすることであります。代議制を採用しているのですから、市民の意見を政治に反映させなければなりません。ボランティア・NPO・未登録組織団体が存在して活動しているには理由があるのであります。政府はなぜその団体が存在しているのか把握することが大事であります。そしてその訴えをよく聞き、解決方法を考えることから、国民の願いに基づいた政策が提案できるものと考えます。ですからボランティアやNPO活動を促進する前に、なぜその活動が必要なのかしっかりと把握し、そのような努力をしなくてもいいように手を打ってやることが仕事であります。この点が余りにも言われず、ボランティア・NPO活動が当たり前のように言われておりますので、しっかりと発言しておこうと思います。やるべき人がやるべき仕事をやらずに、その弊害の尻拭いにボランティア、NPOが利用されてはならないからであります。

第三にテクノロジーを上手に使って福祉を促進させることであります。八街市議会議員の皆様には『GYROS』誌12号に掲載した「見えないテクノロジーによる組織犯罪」を読んで頂いております。ここではあの内容を逆に読んで善用することを考えて頂きたいのです。それによって画期的に社会が変わってくることは想像して頂けると思います。特に障害者福祉に寄与すること限りなしであります。老人福祉もしかりであります。これからの技術開発は人間から離れたものを開発するのではなく、人間に密接にかかわってくるものを開発する時代なのです。そしてその種の開発がこれからの産業の米になると考えます。そのように技術開発の大きな変化が始まっていることが説明されないというのもおかしな話であります。その結果、産業の米となるべき重要な開発に国民が一丸となって取り組めない状態にあるのです。これが経済低迷の一要因であると考えます。『GYROS』誌の記事はそれほど決定的に社会を変える内容を被害者の立場から書いているものであります。是非とも悪用を止めて善用できるようにし、国民が一丸となって新しい産業に取り組み、経済の低迷を打開するとともに、その結果が福祉に貢献できるよう国・県に要望すべきと考えます。以上3点を国・県に要望すべきと考えますが、はたして市長はいかがお考えでしょうか。そこで、

質問要旨9.福祉を充実させるために国・県になにを求めていくか。

 

入札制度改革について

9月議会一般質問 2005年9月9日(金)

              民主やちまた 石橋輝勝

 

民主やちまたの石橋輝勝です。本議会では入札制度改革についてお尋ね致します。入札につきましては、先般、国土交通省が発注した鋼鉄製橋梁工事での談合問題が発覚し、参加した47社中26社が独占禁止法違反で起訴されました。当市では公共下水道大池調整池築造工事で談合情報が寄せられ、調査が行なわれたところであります。結果は談合の事実は認められなかったとの報告でありましたが、このように入札には談合の疑いが絶えずつきまとっていると言って過言でないと思われます。市民の税金を使って事業を行なっていながら、陰で一部の人間が落札者を決定し、その報酬として営業担当者までお金を受け取っているということを、当市のことではありませんが、実際担当した者からも聞いております。また一部は裏金として政治家に渡っていることも疑われているところであります。このように入札にかかわって慣例化されているかのごとき一連の行動が日本の政治風土を作り上げていることは想像に難くないところであります。そこで新しい政治風土を作り上げるという意味でも入札にかかわる悪習を断つことが大事と考えます。

 入札につきましてはその他にもさまざまな理由から制度改革が行なわれているところでありますが、特に行財政改革においては欠かせないものと考えます。当市では本年度から平成19年度まで3年間の行財政改革の最中にあり、入札制度改革はその大きな柱とされてしかるべき項目であります。しかし当市が進める行財政改革のなかでは、歳出項目のなかに「事務・契約の見直し」と記されているだけで、目標削減額の欄が空白となっております。よって今回の行財政改革のなかでは対象として含まれていないことになります。このことから当市では入札制度改革に今のところ積極的ではないことが明らかであります。しかし入札は対象となる物件の金額が大きいことから、落札率の低下から期待される経費削減効果は絶大なものがあります。ですから行財政改革の重要は柱として入札制度改革が謳われてしかるべきものであります。

しかし当市としましては何もしていないわけではなく、制限付き一般競争入札の導入や郵便入札の試みが始められております。それらは庁内での検討で行なわれておりますので、外部にはっきりと見えないものがあります。またこれが八街市の入札制度改革における特徴というには余りにも寂しいものがあります。そこで入札制度改革の方法にさまざまあり、これからの自治体運営の傾向となっていくことを知らなければなりません。

例えば、当「民主やちまた」は、先般、横須賀市・長野市・長野県庁・千葉県庁を視察してまいりました。横須賀市では市長の指示で入札制度改革に取り掛かっており、当初は庁内だけの検討で進められていたようですが、その説明内容から担当者の改革への意識がかなり強いことを印象づけられました。また長野県庁も知事からの指示で委員会を立ち上げて取り組んでおりましたが、有名なオンブズマンを含めた委員会の委員の人選が当たり、落札率が急落する結果となったことから、その後委員を多少温和な方に入れ替えて再組織しての取り組みが行なわれており、しっかりした答申が出されて、それに基づいて改革を行っている状況でありました。答申の内容はきわめて詳細であり、独自の入札制度になっていることがよく分かるものであります。このように自治体のトップの考え、担当者の意識、委員会の人選、答申の内容によって入札制度改革の状況が大いにかわってくるわけであります。またその自治体の特色が表われてくるものでもあります。そこでまず当市における入札制度改革に関する考えをお尋ねするものであります。そこで、

質問要旨1.入札制度改革の必要性をどのように認識しているか。

質問要旨2.これまで八街市が進めてきた入札制度改革とその効果について。

質問要旨3.現在当市が進めている入札制度改革の内容について。

お尋ねいたします。

 

次に入札制度改革における市民協働についてお尋ねいたします。入札が日本の政治風土を作り出す一要因と考えますと、政治家の姿勢と密接に絡んでくることになります。ということは入札制度改革にはトップの姿勢が重要なポイントとなるということであります。またこれからの時代は市民と協働して改革していくという態度があらゆる行政分野で求められ、当然入札制度改革でも踏襲されなければなりません。それでは入札にいかにして市民協働を取り入れていくかでありますが、長野県のように「公共工事入札適正化委員会」「発注技術等検討委員会」「公共工事入札等検討委員会」のような委員会を立ち上げて、外部から委員を受け入れて検討する方法があります。この場合委員の選任がポイントであります。また委員会を公開として、市民によるオブザーバーを受け入れ、アンケート等で意見を求める方法も考えられます。とにかく、入札に関して問題意識を持っている人、時間を惜しんで協力してくれる人には是非とも協力をお願いし、そこにだれもが発言しやすい雰囲気を作りだしてやることが大事であります。これまで私が経験した審議会等の状況から、発言しにくい雰囲気作りが当市の職員の方は上手なようでありますから、それをまず改めなくてはなりません。時代にあった、市民を受け入れる雰囲気づくりがこれからの行政の大事な仕事であります。特に入札制度改革は行政職員では発言しにくいものがたくさんあると思われますので、しがらみのない民間人の発言が重要であります。地域福祉計画立案における茅野市のように市民丸投げの大胆さが必要かと考えます。そこでお尋ねいたします。

質問要旨4.入札制度改革における市民協働について。

どのようにお考えかお尋ねいたします。

 

さて入札制度が改正され、指名競争入札から一般競争入札へと変更されますと、当然入札希望者が増えてくることが予想されます。その場合仕事量が激増することが考えられます。一方落札率は下がらなければなりません。そこで質問いたします。

質問要旨5.過去10年間の年間入札件数と平均落札率は。また同期間の入札担当職員数の推移は。

どのようであったのかお尋ねいたします。

 

次に昭和50年に議員立法によって制定された合特法(「下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業の合理化に関する特別措置法」)の取り扱い方についてお尋ね致します。合特法は下水道が普及する中で、それによってそれまで汲み取りをお願いしていた業者の仕事が少なくなることから、またその業者は一般廃棄物処理業も兼業していることが多いことから、一般廃棄物処理業務も含めて仕事の補償をするためにつくられた法律と捉えております。当市の場合、下水道普及率が平成16年度で24.2%とまだ汲み取り依存度が高い街でありますから、仕事量は確保されているものと思われます。また当市では汲み取り業務を許可制としており、現在2社に許可しているところでありますが、民間委託という方法は取っていないことから、問題は汲み取り業と一体となってしかも民間委託である一般廃棄物処理業務に付いてどのように対処するかということであります。一般廃棄物処理業務は現在2業者に委託されておりますが、それでは入札制度改革の流れの中にあって、今後合特法をどのように捉えて対処していくのかであります。一般廃棄物処理業務も一般競争入札の対象としていくのでしょうか。汲み取り業務、一般廃棄物処理業務、ともに人の嫌がる仕事でありますことから、従業員を集めるのに苦慮していると聞きます。また一般競争入札ともなれば、競争に勝つためにパートでの対応を余儀なくされることになりかねません。人の嫌がる仕事がパート対応では踏んだり蹴ったりとなります。よってかかる業務に一般競争入札を適用することには疑問を感じますが、いかがお考えかお尋ねいたします。

質問要旨6.一般廃棄物処理業務等にかかわる合特法の存在をどのように捉えているか。

 

次に電子入札についてお尋ねいたします。先般千葉県庁へ電子自治体の取り組みについて視察に行ってまいりました。それによりますと、電子自治体構築に向けて県と県内自治体が「千葉県電子自治体協働運営協議会」を設けて一体となって取り組んでいるとのことでありました。現在電子申請システムと電子調達システムの構築を目指しているとのことであり、電子調達システムについては当初43自治体が参加を希望していたようですが、8月22日現在では非公式発表ですが26団体に減っているということでありました。当市はこの減ったなかに属しております。一方佐倉市では今年の10月からこのシステムを使って電子入札を実施する予定で、実施第1号となります。ちなみにこのシステム構築には2億4000万円ほどかかり、それを参加自治体で分担するそうですから、26自治体でしたら900万円強となります。年間経費は5年契約で当市の規模ですと2000万円弱とのことですから、年400万円ほどと考えられます。

これとは別に、県に頼らない電子入札システム採用の方法があります。横須賀市では1億2000万円ほど掛けてシステムを構築し、他の自治体に共同利用を呼びかけております。現在神奈川県から遠く離れた北は宇都宮市から南は長崎市・佐世保市まで利用しており、更に2自治体を受け入れる容量があるということですので、当市も利用をお願いすることができます。料金は基本料として月10万円、入札希望者の登録数100件まで10万円、101件からは20万円、入札件数50件ごとに10万円ということですから、当市の年間入札件数を200件前後としますと、年200万円ほどの費用と見積もることができます。但し当市でカスタマイズが必要であり、しかるべき費用がかかるということであります。この横須賀市方式のメリットは、入札方式に自治体によって相違があることから、例えば横須賀市の場合毎年入札制度を見直ししているとのことであり、そのように絶えず変化する自治体の独自性を受け入れることができるシステムだということであります。ちなみに千葉県が開発しているシステムではその独自性をばっさりと切り捨てることを要求するものだとはっきりと聞いております。

以上のことから、当市としては、県の様式に再度参加する方法、横須賀市のように自治体が独自に構築したシステムを共同利用する方法、独自に開発する方法、電子入札は将来も行わないという方法の4つの選択肢があるということであります。これから市民協働で、しかも有識者を入れた委員会を設けて検討するとなりますと、当市の独自性がはっきりしてまいります。特に総合評価落札方式を採用することになりますと、極めて複雑になり、横須賀市のようなシステムを利用することが理想となるように思われます。電子入札を採用することに重きを置いて市民との協働による当市の独自性構築を妨げることがあっては断じてならないと考えます。はたして市は電子入札についていかがお考えでしょうか。そこで、

質問要旨7、電子入札の採用について(県との連携も含めて)お尋ね致します。

以上明快なるご答弁をお願いいたします。

市税および国保税低徴収率問題について

2005年12月議会一般質問    2005年12月8日(木)

 

民主やちまたの石橋輝勝です。本議会では市税および国保税の低徴収率問題についてお尋ね致します。

 

 まず平成16年度における本市の市税徴収率が、現年度分で93.3%、繰越滞納分を含めると77.6%と、現年度分では県下で下から2番目の低徴収率となったこと、また国保税徴収率では75.81%で県下最下位となり、しかも下から2番目の富里市から5ポイントも離されてのダントツの最下位となっている現実をお伝えすることから質問に入っていくことに致します。

 

 さて、政府は地方分権一括法の制定以来、三位一体改革等、地方分権に向けてさまざまな施策を実施してきております。地方のことは地方に多くが任されていく時代を想定して、その運営に必要な財源をしっかりと確保していくために徴収体制を強化する取り組みが各自治体で始まっております。当市でも市税収納補助員の採用や納税課の設置、毎月最後の日曜日の開庁等収納体制の強化を図っており、その結果市税徴収率では、前年度から微増の効果が表われております。しかし当市の変化だけを見て判断してはならないわけで、徴収率上位団体と比較することによって、当市の状況がより鮮明になります。市町村税徴収率上位団体との比較では5ポイント以上、繰越滞納分まで含めると20ポイントもの大差があることが分かります。これは国保税も同じで、徴収率上位団体から20ポイントもの差が生じており、この現実を見過ごすわけにはまいりません。そしてこれはこれまでの対策では全く不十分であることを示すものであります。そこで落ちに落ちた徴収率を早急に改善していかなければならないわけですが、それにはまず現状分析が大事であります。一体この低徴収率になるに至った原因はどこにあるのか、その捉え方によって改善の方法が変わってまいります。そこで質問致します。

質問要旨1.平成16年度の市税徴収率(現年度分)が県内で下から2番目、国保税徴収率では県下最下位になった原因をいかに捉えているか、お尋ね致します。

 

 次に改善策でありますが、バブル崩壊以来経済が低迷しているということではどの自治体も同じ条件下にあり、その中で当市が著しく徴収率が低下しているということは、経済の悪化条件をもろに受ける体質にあり、その吹き溜まりとなるような街づくりをしてきたことが考えられます。これは長期計画の失敗を意味するものであり、長谷川市政の責任は大であります。そこで厳しい反省の上での対策をご説明願います。そこで、

 

質問要旨2.市税・国保税の徴収率を上げるために要旨1で答えた個々の原因にいかなる対策を立て実行していくか、お尋ね致します。

 

 次に市民と協働して市税・国保税の徴収率を上げていく対策についてであります。

協働の問題も地方分権を実りあるものとするために育て上げなければならない課題として捉えられるようになっておりますが、この面での先進市であります横浜市・浜松市・岐阜市等を視察しましたが、まだその必要性の説明が不明確であり、その将来像も描ききれていないように思われました。それでも市民との協働を推進する専門部署を設けて取り組んでいることは将来に大きな成果となって表われてくるものと思います。当市としましても遅れをとってはならないわけであります。そこで当市として市民協働を推進する方法として公民館主催学習講座の拡大と充実を提案致します。つまり行政の抱えている問題を市民とともに考える場を講座として設けることであります。例えば多摩市などでは市民による財政白書作りが始まっております。これには決算カード等それを行なうために必要な情報の公開が伴わなければなりません。そして過去20年にわたる経年的統計から今日の財政状況を分析・判断する手法が採られております。そして何より大事なことは、勉強してそれで終わるのではなく、白書というかたちでとりまとめて市に提言していることであります。このような繰り返しが、行政への理解を増し、市政に参加しているという意識を芽生えさせ、ひいては納税意識も高めるものと考えます。講座には健康保険の問題を含めて地域医療を考える講座があってもいいわけであります。それによって当「民主やちまた」が6月議会で提案しました市民が作る地域福祉計画へと発展させることができます。また男女共同参画計画の策定も、一昨日の答弁では取りまとめの段階に入っているとのことですが、深い問題ですので、講座を設けて、さまざまな識者の意見を取り入れながら、市民が取りまとめて毎年でも提言していく方法が考えられます。これまでの審議会のような閉鎖的な場から、市民により開かれた場で、識者の情報を入れ、情報公開で資料も提供して、そして市民が取りまとめて市に提言する、そういう方向性が求められているものと考えます。

そしてこの公民館主催学習講座に期待したいもう一つ大きな課題があります。それは今の教育に欠けている、地元にしっかりと根を張って生きることを学ぶ場として位置づけられることであります。この問題は大きな教育問題で、有史以来日本人は諸外国の教科書に学んできたために心はあらぬ方向へと飛んでしまっていたのですが、これを地元で考えてどこでも通じる考え方ができるようにしなければ、地域に根付くことはできないのであります。ひいては地方自治の発展など望むべくもありません。地域に根ざす教育に変えていくにはその基礎となる教科書作りが大切で、日本の最高の頭脳が傾けられなければできないことであります。これが今日の教科書問題であります。教科書作りは以前にも申しましたが、日本人に与えられた最高のフロンティアとしてあるものであります。

話を戻しまして、この公民館主催学習講座は、将来的には、市民全員の出資で運営される、名実ともに市民の学びの場となるように促すことであります。行政のお金を使わない市民による学びの場であり、これこそ市民大学と呼ばれるにふさわしい存在であります。そして幼・小・中・高の連携から市民大学への連携を図っていけば名実ともに地方自治のための勉強の府となるのであります。これは現在の教育体制に決定的な影響を与えることになりますので、相当注目を集めるものと思います。長谷川市長には来年度からでもその方向での公民館主催学習講座を主宰して頂きたくお願いするものであります。

尚、この市民全員の出資という考え方は、地域医療を考える場合にも使うことができます。民間病院があっていいわけですが、それも含めて市民全員が出資して成り立っていると擬装して考えることによって、地域医療を自分の問題として考えることができるようになります。そして、現在の医療体制で十分であるのか、不足していたらどのような投資が必要なのか、その費用を現在の住人で負担しきれるのか、負担しきれない場合どの程度の人口規模が理想なのかという議論になり、人口を増やして対応するのか、広域でいくのか、または合併を考えた方がいいのかと、基礎自治体の規模を考えられるようになるのです。ここに国主導ではない、地元思考での合併の検討ができるようになるのであります。このようにだれもが考えられるようになれば保健税の徴収率は100%に近づいてくるものと思います。

以上のように公民館主催学習講座を拡大・発展させて、市民の意識を高め、協働意識を盛り上げて街の問題を解決していく、そのなかに市税・国保税の低徴収率問題を解決する意識も芽生えさせていく取り組みが必要と考えますが、はたして市はいかがお考えでしょうか。そこで質問致します。

 

質問要旨3.市民と協働して市税・国保税の低徴収率問題を市民と協働して解決していく計画についてお伺い致します。

 

 次に、県との協力体制についてであります。先般、市町村税および県民税の滞納問題の解決に取り組んでいる茨城租税債権管理機構・三重地方税管理回収機構に視察に行ってまいりました。ともに県下の全市町村が出資しての一部事務組合であります。設立理由は、県民税の一部を市町村に徴収してもらっており、その徴収率の悪化は県政に影響することから、市町村税も含めて滞納処理を専門にするために設けられた一部事務組合であります。各市町村からは割り当てた範囲で案件を上げてもらい、受理した案件は、即刻財産調査、本人への通告およびヒアリング、そして差押、公売等の手続きを経て、1年以内に回答を出すシステムであります。このメリットは、市町村における税務教育の不徹底を補う教育機関に成り得ること、地元では顔見知りで執行しづらい案件をわだかまりなく執行できること、暴力団がかかわっての案件も県警の力を借りて難なく調査執行できること等があります。千葉県庁での視察では同様の一部事務組合については作るとも作らないともはっきりしていないようでしたが、両県の実績から、費用対効果の面でも、市町村から派遣された職員の仕事の充実度から労力対効果の面でも、進めて間違いない事業と判断しました。税の公平性を確保するためにも差押・公売を主たる手段とする同様な機構の設立が有効と考えます。尚両機構では当市が昨年度行なった70件を越える差押を評価しておりました。それをさらにわだかまりなくできる一部事務組合の設立を県に積極的に働きかけてはと考えますが、いかがお考えでしょうか。そこで、

 

質問要旨4.市税・国保税の徴収率を向上させるために県との協力体制について、お尋ね致します。

 

 次に、国への要望についてでありますが、地方分権を堅固なものとするために、運営資金である税金をしっかりと徴収しなければなりません。そのためには地方の経済が健全でなければなりません。それには全体が潤う経済政策を展開する必要があります。しかし今政府が行なっている構造改革はその逆を行っていることは明瞭で、改革の名を使っての一部による経済的覇権の奪取であり、独占体制の確立であります。銀行がその好例で、その結果、かつては地方銀行が毛細血管のように作用して、末端の中小企業を支えていたものが、ペイオフ導入でその地位を危うくされ、換わってノンバンクと体よく呼ばれるようになった高利貸しがしっかりと位置を確保するようになりました。ペイオフ導入はお金を持っていても心配が募る制度で、自治体にも影響を及ぼしております。グローバル化のなかで一部大企業が生き残るための論理では地方は生きていけないのです。よってこれを逆転して、大きな銀行から地方銀行まで創意工夫で自由に競争ができ、中小企業にお金回るような金融構造への改革、そのためにはサラ金を排除して、稼いだ金を安心して預けられる銀行への改革を要望すべきであります。またそのような地方の論理を徹底して主張すべきと考えますが、はたして市長はいかがお考えでしょうか。そこで、

質問要旨5.市税・国保税の徴収率を向上させるために国になにを要望していくか、お尋ね致します。

以上、明快なご答弁をお願い致します。

 

 

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